
日本酒の仕込がはじまる冬。北陸の冬の味覚といえば越前がにです。対馬海流と玄達瀬がぶつかる越前海岸沖で獲れた越前がには、身がぎっしり詰まり、甘み、みそが舌鼓を打つ逸品です。日本の贅を楽しむ越前がにと相性のいいのが冬に出荷される日本酒。北陸では「晴れの日を奏でるお酒」とお正月料理や越前がにで年末年始を贅沢に過ごします。
田邊酒造では「越前岬大吟醸 吟の雫原酒 ~波涛(はとう)~」「越前岬大吟醸原酒 酒珠の音(しぎょくのね)」を晴れの日を奏でるお酒として冬限定で出荷しています。
この二つの大吟醸は兵庫県産の山田錦の特A地区指定農家と契約栽培した特等米のみを使用した田邊酒造の中でも特にお米にこだわったお酒です。また、田邊酒造の特徴でもある「木槽搾り」と呼ばれる雑味が少ない柔らかな酒が出来る昔ながらの搾り方を行っています。木槽搾りはプレス機の搾りと比べて時間がかかる分、「あらばしり」「中取り」「責め」と、時間帯によって様々なタイプの酒の搾れます。「越前岬大吟醸 吟の雫原酒 ~波涛~」「越前岬大吟醸原酒 酒珠の音」の二つのお酒は「中取り」と呼ばれる部分だけを使用しています。雑味が少なく、味わいのバランスが整ったよりピュアな部分だけ使った贅沢なお酒です。
「雫取り」とは、もろみを布の袋に詰め、そこから自然に滴り落ちる雫だけを集める搾り方です。できるだけ雑味が酒に混ざらないようにするための工程で、中取りした部分だけを斗瓶で囲い、1年間かけて一定の温度に保ち、保存します。これを別名「雫酒(しずくざけ)」と呼び、その酒の一番美味しいところが味わえる贅沢な品です。火入れせずに生の酒のまま一年以上熟成させることで酸味や甘味のバランスを整えます。芳醇な香りと旨みを生み出た頃に一本一本火入れを行っています。
「波涛」「酒珠の音」共に全米日本酒歓評会にて評価されて3年連続で受賞しています。「波涛」は大吟醸精米40%以上の部において金賞受賞。 「酒珠の音」は大吟醸精米50%以上の部において金賞を受賞しています。